水晶玉蟠龍置物、山梨県立美術館
2025年06月01日 15:02
こんにちは。
今日の午後管理人は山梨県立美術館へ「《水晶玉蟠龍置物(すいしょうだまばんりゅうおきもの)》明治12(1879)年 皇居三の丸尚蔵館収蔵」を鑑賞に行ってきました。
こちらの水晶について少しご説明させて頂きます。
「甲府市にある金櫻神社の神宝としてウィーン万国博覧会に出品されました。日本への帰路、船の沈没事故により海に沈み、後年、引き揚げられたと伝わっています。その後、明治天皇に献上され、豪華絢爛な龍の玉受台と卓が制作されました。
ニール号の沈没・・・
1874(明治7)年3月20日、フランスの郵船会社の所有するニール号が、暴風雨により南伊豆の入間沖で座礁し沈没するという事故が起きました。
この船には、前年の1873(明治6)年に開催されたウィーン万国博覧会に出品した宝物や美術工芸品、工業品、そして今後の日本の工芸・工業の発展のためにと現地で買い集められた参考資料などが積まれていました。
ニール号の積荷のなかには、山梨県御嶽神社の御神宝水晶玉、鎌倉鶴岡八幡宮所蔵の北条政子の遺品として知られていた手箱や源頼朝の太刀、正倉院宝物など、ウィーン万国博覧会に出品した数々の宝物、美術工芸品などが含まれていました。」
水晶玉径は16.4で、龍が抱く水晶玉は、もとは金櫻神社(甲府市)の神宝でした。明治天皇に献上された後、宮内省により龍の玉受台と蒔絵卓が製作されています。玉受台は銀製で細微な彫金が施され、蒔絵卓は正倉院宝物の文様を範として蒔絵や石材の象嵌を施していて、とても綺麗でした。