神慮鐘起請の鐘
2025年05月17日 14:38
管理人が気になった文献
神社案内看板 由来一部抜粋
此の残せし老杉の根の南に鐘楼あり、武田氏領国の時より獄訟決し難き時公裁ありて此の鐘を撞かしめ罰を神慮に任す。故に神慮鐘起請の鐘と言われり。又此の鐘を鳴らすと必ず疾風暴雨すと云われ五月中旬迄は撞く事を禁じられたと云う。
「鐘を撞く」は無言の約束の意味につかわれている。
また、戦国期においても信濃と甲斐の和平において武田氏が諏訪大社で宝鈴を鳴らして誓約の神事をした史料がある。宝鈴のみならず大型の梵鐘も誓いごとに用いられたのであった。信濃の御岳金桜神社の鐘は飛化頭の池の中から湧き出したといわれる。人間ではなく他界からやってきたという認識である。この鐘を鳴らすと必ず疾風が吹き、暴雨が降るといわれ 5 月中旬までは撞いてはならぬとされた。この鐘は 5 月以降の田植えに必要な雨水をもたらすと意識されていたのであった。鐘の音を聞いた人々は現在の我々では感じとることのできない、特殊な神秘的な感じを鐘の音に抱いていたのであった。https://ja1cty.servehttp.com/OGAWA/heian-bonsyou.pdf
平安京の梵鐘 春野小川様の掲載記事より
今はなき御岳の消えた鐘・・・文献でもその所在は分からずでした。残念。